▌新年のごあいさつ(2025年 飯島会長年頭所感)
一般社団法人日本パン工業会
会 長 飯島 延浩
新年に当たり、ご挨拶申し上げます。
皆様には、平素より製パン業界の発展に格別のご指導ご支援を賜っておりますことに深く感謝し、厚く御礼申し上げます。
我が国経済は、景気の緩やかな回復が続き、雇用情勢の改善も進んでいます。一方で、各国の経済や各種政策動向、中東情勢、金融資本市場の変動等に十分注視していく必要があります。物価についても引き続き上昇しており、賃金と物価の好循環を図ることが重要となっています。
このような中で、製パン業界におきましても、様々な課題を解決しつつ、発展を続けていかなければなりません。
課題の中でまず挙げられるのは、原材料・エネルギー価格及び人件費・物流費の継続的な上昇等を踏まえ、昨年10月末以降、多くの会員企業で発表した価格改定の着実な実施です。お客様の節約意識が続く中で、ニーズを的確に捉え、製品の品質向上、値頃感のある製品も含め隙間のない製品の品揃え等により、しっかりと対応していく必要があります。
次に、人手不足が深刻化する中で、やりがいがあり労働安全に配慮した仕事環境の確保、新卒者のみならず中途採用者・外国人労働者等の幅広い人材の確保、製造面での効率化等の工夫を図っていくことも重要です。物流2024年問題に関しても、物流の一層の効率化等に向けた関連法令が施行される中で、発・着荷主双方の立場から適切に対応し、安定的な製品配送、原材料調達等を確保していかなければなりません。
また、食品表示について、昨年来、消費者庁による個別品目ごとの表示ルール見直しの検討が行われていますが、製パン業界内においても、品質や適切な表示等を維持・充実すること、消費者や事業者にとって分かりやすくすることを念頭に置きながら、議論を重ね、業界で一致して対応案を表明いたしました。その結果、定義・名称は現行基準を維持し、原材料や内容量の表示方法は横断ルールに移行することで、諸手続き等が進められることとなりました。今後、正式に基準が改正されれば、十分な経過措置期間の中で、適正な表示の改訂を誤りなく実施すべく、準備を進めてまいります。
この他にも、食品ロスやプラスチック使用量の削減・低炭素社会実現等SDGsの取組、原材料の安定的確保と国内農業との連携、パン食の普及・PR、全パン連さんにおける学校パン給食の推進への支援等製パン業界を取り巻く諸課題にも継続して取り組んでいく必要があります。
さらに、不幸にして災害が発生した際には、主食を供給させていただいている業界としての使命を引き続き果たすため、昨年の能登半島地震発生時等と同様、積極的かつ迅速な食料支援が行えるよう、体制を常に整備しておくことも重要です。
2025年が製パン業界、関連業界にとって充実し更に前進の年となりますよう、諸課題への対応とともに、安全でお客様に喜ばれる価値ある製品の提供等に一層努力してまいりたいと存じます。
皆様におかれましては、本年も変わらぬご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。